ファイル№6　宅地建物取引業者と駐車場契約

　生活に一番密着する不動産取引といえば駐車場の賃貸借契約だと思います。
　コインパーキングのようにフラップ板がある駐車場はともかく、舗装された駐車場に区画線のみで区画された車１台ごとの月極駐車場はそこが「土地」であると錯覚をしてしまいますが、車１台ごとの月極駐車場やコインパーキングは宅地建物取引業法から見れば、「建物」ではなく「宅地」でもない土地となります。そのため、１台ごとの月極駐車場の区画の仲介については宅建業法上の問題としては取り扱わない運用がされています。

　車１台ごとの月極駐車場は駐車場という「土地」ではなく「駐車場という施設」として扱われ、その賃貸借契約は税法上でも「建物や施設、物品などの賃貸借契約書は、印紙税の課税対象となりません」 とされ、土地賃貸借契約書とは別にしているのです。

　車１台ごとの月極駐車場は「駐車場という施設」ですので、借地借家法の適用もありません。 貸主が正当な事由なく中途解約の申し入れをした場合、また立ち退きに対する十分な期間が設定されていないなどの借主に対する不都合が生じても借主を守る法適用がないということです。

　宅地建物取引業者による駐車場契約の仲介は、貸主と借主双方が合意した契約書を安全に履行し互いに信頼関係を維持し円滑な利用を継続させるものと思っています。 †††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††† （R7.3.10記　この内容は現時点の法令を基にしています。
　読後は必ず最新の法令情報を取得、確認してご利用ください）